こんな方におすすめ
- 土地探しのコツを教えて欲しい
- 土地選びで失敗したくない
- 土地探しの方法は何がいい?
私はハウスメーカーの営業の時に土地探しからの契約もしていました。その時の経験を踏まえてお伝えします。また、設計となると土地の見方も変わります。
営業と設計の違いで食い違いが発生しやすいポイントなのです。
ココがポイント
この記事を読むことで、様々な立場から意見を取り入れることで総合的に土地を俯瞰して評価でき、購入に足を運ばせることができるようになります。
土地探しのコツと注意点はこれ
土地探しは初め何をしたらいいかわからないですよね。
まずは土地の相場を把握することです
相場を掴むことで予算が土地を決める1つの指標になります。この件に関しては下記記事に詳細を記載しておきました。
以降は私がハウスメーカーの営業としての立場、設計としての立場を踏まえた上で土地を見るポイントをまとめました。
これはどこのブログにもありません。
なぜこれをまとめたかと言うと間取りの変動や金額の増減変更が起こる要因になるからです。
土地の周囲で見るべき点
以下に土地の外側を見るポイントをまとめてみました。
- 道路路の高低差
- 電柱やガードレールの有無
- 標識やカーブミラーの有無
- ブロック塀の健全性
まず、道路との高低差はあるでしょうか。あれば、段差を解消する工作物や擁壁などその分の工事費がかかります。
電柱やガードレールなんかも車の出し入れや門扉の支障になります。
それらを動かすには自治体や電力会社に相談をして、移設費がかかります。標識やミラーだって道路になくてはなりませんし、支障になる場合があります。
これらも電柱などと同じ扱いになります。
それから、ブロック塀については建築基準法を満たしているでしょうか。満たしていない場合はその分の費用はかかります。
また、古い(だいたい古いですが…)場合は現行の建築基準法で1.2m以下若しくは3.4m以下で控え壁を設けなければならないという法律があります。
私の経験ではここを見落とす営業マンは結構いました。
競合他社で見落としてしまったために、お客様から信頼を失ってしまった事を聞かされたこともあります。
土地内で見るべき点
次に土地の中で見るポイントをまとめています。
- 土地内での高低差
- 防空壕や井戸跡
- 埋設物(杭や解体残置物)
- 給水管や排水管の有無
高低差がある場合、これも土を入れたり削ったりで費用がかかる原因になります。土ってかなり高いんですよね。数十万〜数百万なんてよくあるんです。
稀にですが、防空壕の埋める工事、井戸跡の埋める工事などもあります。土地を全て分かって売る人ばかりではありません。
長い歴史で忘れ去られたものが出てくることもあるのです。
土地に給水管や排水管が入っていないと、それを引き込むのに道路を掘削する費用が発生します。
この金額も結構高いので、驚くお客様も多いです。
これらを知らないとはいえ、気にせず土地契約してしまうとこんなものに費用がかかるの⁈というお客様を私は何人も見てきました。
土地購入で気をつけたい点まとめ
まずは土地購入で気をつけたい点についてです。これは長くなるので下記の記事にまとめましたのでご覧ください。
私の営業経験も含めて記載しております。
冒頭でも少しお話ししましたが、不動産屋と住宅メーカーは無関係であるので基本的に連携はしません。その時に情報が行き交ってなかったり、確認を疎かにすると落とし穴に気付けません。
これは不動産屋が悪意で悪い物件を勧めているというわけではなく、計画する家の条件が叶わないということが起きやすいという意味です。
次項でその対策等を解説します。
一級建築士の視点で見る土地の注意点
なぜ、建築士の視点で土地を見る必要があるのか。それは、
家づくりに与える法規制がたくさんある
これは宅建を持っている方なら法律は少し知っていますが、
建築士でないとどのくらい間取りに影響を与えるかは分かりません。
そこで私が注意すべき法規制をまとめました。主に法規制は下記のチェックリストです。
- 建蔽率と延べ床面積
- 都市計画上の法規制
- 防火に関する規制
- 斜線規制
- その他
以上は土地チラシにはほぼ載っていますのである程度は確認できます。家を建てる際に土地購入の時になんとなく聞いていた情報、あの中に結構大切な情報があるのです。
資格を持っていれば表向き上はプロですが、力量が実際に分かれてしまうのも事実です。
今回はなんとなくだけでも知っておきたい最低限の法律を解説します。
敷地の面積によって建物の大きさが決まる
敷地の大きさによって建物大きさや延べ床面積の制限があります。 さらに、それが次項で説明する都市計画で決まっています。
建蔽率や容積率のことです。
どんな都市計画に属しているか
法律や条例によって建てられる家って限られるんです。これは皆さん、後々知るのですが事前に知っておいた方が有利です。
- よく街中でも駅前はごちゃごちゃしてるけど、
- 少し歩くと閑静な住宅街が広がっている…
- よくそんな光景を目にすると思います。
あれはなんとなく、あーゆー開発が進んだのではなく、
もともと法的な制限があって街並みが形成されているのです。
都市計画の種類
まず、低層住居専用地域と呼ばれる地域(何種とかありますが割愛します)は、主に3階建てまでしか建てられません。
10m又は12mまでの建築しか建てられないのです。
中高層住居や工業、商業などと呼ばれる地域は比較的法規制が緩いので住宅には向きません。もちろん建築は可能です。
主にマンションや事務所ビルが多い区域となります。
防火に関する制限区域
続いては防火地域か、準防火地域か、防火無指定かという点です。
これは建物がある一定時間燃えない材料で作りなさいという制限です。これによって使う材料が異なる=建物の金額が違ってきます。
一番制限が厳しい防火地域は商店街や幹線道路沿いが多いのですが、 準防火地域は東京都内だとかなり多いです。むしろ、防火無指定が少ないです。 坪単価も10万ほど変わったりするんですね・・・
斜線制限という空の建築範囲制限
これは周囲の建物の採光などに配慮するという法律です。斜線制限には3つの種類があります。
1、道路斜線
2、隣地斜線
3、北側斜線
1、道路斜線については敷地から見て、道路の反対側の境界線から1.25 寸を敷地側に設けるので、その勾配以下に建物を抑えなければなりません。
要は道路の幅員が大きければ大きいほど、道路際から離れていると高さを気にせず建てられます。
2、隣地と建物の間が1mだとすこし危ないです。(天空率でクリアするという方法もあります。)
隣地斜線については20m以上の建物に関わるので住宅ではあまり制限されません。
3、北側斜線です。これは北側の建物にも採光が行くように、という配慮からのようです。
これは北側の敷地境界から制限がかかります。これは条例などによってかなり違うので、調べる必要があります。最も厳しい地域では5mから斜めに制限がかかります。
街中で見かける北側の屋根が折れているのは斜線による影響が多いです。
これは主に住宅系に関わる斜線となります。
ただ、この法律意外にも各都道府県や市町村において条例というもので、さらに建築の制限をかけたりしています。
私の経験をもとに知っておいた方がいい事もまとめました。
土地探しの方法3選
土地探しの方法は下記の3点があります。
- 不動産サイトで探す(SUUMOやホームズ)
- ハウスメーカーや銀行に紹介してもらう
- 不動産会社に行く
ここでは検討段階によってどれを行えばいいか分かれます。上から順に時間がある方となります。ネットで探す場合は比較的時間がある方です。ネットで探すには膨大な量の中から自分が選ばなければいけません。
次にハウスメーカーや銀行の紹介ですが、あくまで建物を建てる方向けです。そして、もう計画したいという方は頼んでもいいでしょう。
土地が決まっていない段階でもハウスメーカーや工務店は図面を描いてくれます。(ここで描いてくれないメーカーは逆に殿様商売丸出しですね)
最後に不動産屋へ行く手段です。
なぜ最後にしたのかは、不動産屋は基本的に押し売り業界です。営業がしつこくても構わない方はいいでしょう。ただ、そんなお客様はあまり見たことはないので。
最後に
最後はその敷地はどんな環境にあるのか見ておきましょう。敷地条件は不動産屋だけでなく、インターネットの土地情報にも結構必要情報は多く載っています。
それから土地の購入の検討には土地を実際に見に行って下さい。
あと朝・昼・夜の3回は確認した方が良いです。
お隣は2階建ての住宅かマンションなのか、もしくは林や公園なのか。これは間取りにも大きく影響してきます。